近年日本でもよく「オーガニック」という言葉を耳にし、オーガニック製品を目にする機会が多くなってきて、すでにみなさんの中にはオーガニックの食品を積極的に購入されている方も多いかと思います。しかし、欧米諸国に比べてまだまだ広まっていないのが現状のようです。
そもそも、「オーガニック」とは何なのでしょうか?
<目次>
オーガニックとは有機栽培の事
オーガニックとは化学合成農薬や化学肥料などを使用せず、基本的に自然界の力で生産された農作物のことを指します。日本では農林水産省が定める規格を満たすことが必要で、それをクリアしたものだけがオーガニック商品として販売することが認められています。
オーガニックとして販売されている商品をよく見ると「有機JAS」マークが記載されています。この認定を受けるためには化学的に合成された肥料や農薬の使用を避けているか、遺伝子組み換え技術を利用していないか、また環境への負担をできる限り低減した栽培方法で農作物を生産しているかを厳しくチェックされ、実施できている食品にのみ認められます。ちなみに、認定を受けていないにも関わらずオーガニックと表示した場合は懲罰の対象になるなど、厳しくルールが決まっています。
海外ではオーガニックは当たり前
日本国内で認定を受けて栽培されているオーガニック農産物は全体の約0.2%程度しかありません。ヨーロッパでは10%に近い国もある一方、日本は遅れをとっているのが現状です。
アメリカでは一般的なスーパーでも手に入れることができ、ほぼすべての食品でオーガニック製品を入手する事が可能です。野菜や果物はほぼ全部そろい、肉類や、塩、砂糖、スイーツ、コーヒーなどあらゆる食料品がオーガニックでつくられています。さらに、日本では高級なイメージがあるオーガニック製品ですが、海外では他の食品とほぼ変わらない金額で購入が可能なようです。食料自給率が低い日本で国産の有機野菜はまだまだ貴重な分、お値段が高くなってしまうのかもしれません。
無農薬とは限らないオーガニック
よく耳にするのがオーガニックだから体に良くて、安心して食べられるというイメージが強いですが、それは間違っています。オーガニックの考え方は環境がテーマです。自然環境を大切にし、食の安全に配慮した栽培方法を指します。つまりオーガニックは無農薬ではなく、環境に悪い農薬は使わないという事なのです。農林水産省の規定にもありますが、有機栽培でも認められている農薬が存在し、使用することが許されています。これらの農薬は自然環境に緩和なもので土壌にやさしいものが選ばれていますが、それがそのまま健康や、安心に結びつくものではありません。まだまだ日本はオーガニック後進国ですが、欧米でも考えられている「自然にも人間にもやさしい環境づくり」がこれからの課題になってきます。日本もこれから、徐々にオーガニック製品が増えていくことでしょう。
これからぜひ有機JASマークに注目して、オーガニック製品を私たちの生活に上手に取り入れていきましょう。