「無添加化粧品」というとお肌に優しいイメージがありますね。
「無添加」とはある特定の成分を配合していないという事です。その成分を配合しなかった場合どのようなメリット・デメリットがあるのかご存知でしょうか?
化粧品で「無添加」といえば、防腐剤の「パラベン」を指すことが多いと思います。
今回はこのパラベンが配合されている「メリット」と「デメリット」をご紹介します。
自分にあった化粧品選びの参考にしてください。
<目次>
パラベンはアレルギーを引き起こす可能性がある?
パラベンは昭和40年代に薬事法で制定された「表示指定成分」に該当する防腐剤成分です。
「表示指定成分」とは、その当時アレルギー症状などを引き起こす可能性がある成分102種類を化粧品や医薬部外品に配合する際、製品に表示しなければならなかった成分です。
現在、化粧品に関しては全成分表示が義務化されておりますので表示指定成分としてはなくなりましたが、パラベンが配合されていると全成分の中に表示されており、今でも旧表示指定成分のパラベン(パラオキシ安息香酸エステル)はできる限り配合しないほうが良いという考え方が根強く残っています。
パラベン無添加が「安全」と思うのは間違い
パラベンは石油系の非常に強い殺菌能力をもつ成分です。
防腐効果が高い為、化粧品や食品などに幅広く使われています。私たちは知らないうちに日頃からパラベンが入った食品を食べ、パラベンの入った飲料水、医薬品を飲んでいるわけです。
確かにパラベン単体を使用するとお肌にとっては刺激の強い成分です。肌あれや吹き出物、アレルギーを引き起こす可能性があります。ですが、パラベンが入っていない化粧品を使っているのにも関わらず、パラベン入りの食品を食べるのはなんだか変な話ですよね。
また、防腐剤が入っていない化粧品は封を開けた瞬間から中身の腐敗が進行する為、早く使い切る必要があります。もちろん出荷時にはどのメーカーも菌検査を行っておりますので腐敗する事はありませんが、使用時に手や空気に触れるだけで無数の菌が混入します。栄養がたくさん入っている化粧品は防腐剤が入っていないことによりすぐに菌汚染され、腐ってしまいます。もし気づかず腐った化粧品を使用すると当然肌トラブルを招く原因となります。
パラベン配合化粧品の開発者はいかに刺激が少なく、腐らない処方を開発できるかが、腕の見せ所となるわけです。
防腐剤無添加の化粧品はパラベンでのアレルギーを引き起こす可能性はなくなりますが、その反面私たち使用者の使い方次第で腐った化粧品をお肌に塗るリスクが高くなってしまうというわけなのです。
3年以内に腐る化粧品は消費期限を記載
薬事法では、「基本的に化粧品は製造又は輸入後、適切な保存条件の下で3年を超えて性状及び、品質が安定なものでなければならず、3年以内に変質する恐れのあるものは「使用期限」を表示しなければならない」とあります。
つまり、使用期限が書かれている商品は3年以内に品質が悪くなるという事です。防腐剤は品質を安定させる為にも最低限必要な成分であります。
化粧品の防腐剤はパラベン以外にもあります。それぞれの防腐剤によって防腐効果や、発揮される状態が違いますので、うまく処方されている商品は腐らず品質の安定したお肌にやさしい化粧品と言えるでしょう。
例えば、パラベンが刺激になる方は「パラベンフリー」で他の防腐剤が入っている商品を選ぶという方法もあるかもしれません。
敏感肌の方なら特に、そうでない方も初めて使用する化粧品は必ずパッチテストをして皮膚刺激がないことを確かめて使用してください。
広告は消費者に興味や安心感を与える作用を持っているので、「パラベン無添加」とお肌に良いイメージだけで商品を選ぶのではなく、配合されている成分もしっかり確認する習慣を身につけ、自分の肌に合った化粧品に出会えると良いですね。